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NEODEAD MUSIC BLOG

音楽を思考する

Halo:CEA レビュー

Game Review

はじめに

Halo: Combat Evolved Anniversaryは343 Industriesが手掛けたHalo: Combat Evolved(以下、Halo 1)のリメイク作品。
元となるHalo 1はBungieデベロッパーを務め、Microsoftがパブリッシャーとなり、2001年11月15日に北米で発売。
(日本版は翌年2002年4月24日に全編吹替のフルローカライズで発売された。)

ちょうど10年目となる2011年11月15日に本作は発売され、それがAnniversaryというタイトルにもなっている。
価格は3990円で、CEROレーティングはD(17歳以上対象)。
すでに昨年のHaro:Reachからシリーズの開発がBungieから343 Industriesに移行しており、本作は343 Industriesにとって初のリリース作品という意味合いを持つ。

筆者にとっても初のFPS体験がHalo 1だったこともあり、相当に思い入れのあるタイトルでもある。
よって、なるべく懐古趣味的文章にならないように気を付けたつもりだが、若干の思い出補正と見られる部分についてはご了承願いたいと思う。


リメイクの意義

近年、映画やゲームの世界ではリメイクが大流行している。
それほど新機軸の作品を生み出すことが難しくなってきていることを現しているのかもしれないが、リメイクが必ずしも成功するとは限らないし、元が名作であればあるほど観客の期待値は無闇に高まり、自然にそのハードルも上がっていく。

今回紹介するHalo 1はまさしくFPSの歴史に名を残す名作中の名作である。
それまでPCゲームの独壇場だったジャンルを見事に家庭用ゲーム機市場で大成功させた画期的な作品とも言えるだろう。
私にとっても初の洋物シューター作品だったこともあり、その衝撃は今でも鮮烈な記憶として脳内に刻み込まれている。
つまり、このような名作と呼ばれる作品には必ずといっていいほど私のような頑固一徹な原作ファンが存在している。
従って、今回のリメイクに対するそのハードルの高さたるや、想像には難くないだろうと思う。

案の定、今回のリメイク話がアナウンスされた時の言い知れぬ不安感、それはHalo 1を遊んだ人間なら誰しも感じたことだろう。
果たしてこちらの期待を裏切ることなく、初代の美点をきちんと引き継いだままリメイクされるのだろうか?
ただでさえシリーズの開発からBungieが撤退し、343 Industriesという聞いたこともないデベロッパーに移行してからのリリースである。
実際にプレイするまでは何が起こるか分からない、そんな醒めた目で私は発売日を迎えた。

結論から申し上げよう。

本作はリメイク作品ではなく、リマスター作品であった。
ゲームシステムその他基幹部分に関わるものは全てHalo 1を忠実に再現し、骨格となるエンジンもそのまま流用。
343 Industriesはリメイクではなく、リマスターに徹することでHaloファンをひとまず安心させようという思惑があったのではないだろうか。
もちろんHalo 4に取り掛かっている中で、開発内部のスケジュール的な都合もあったのかもしれない。
しかし、幸運にもその思惑は見事に的中したと言っていい。

詳しい内容についてはこれから解説するが、今でもキャンペーンについてはHalo 1が最高傑作だと信じて疑わない私のような人間からすれば、これは歓迎すべき事態である。
10年を経過してもなお魅力的なこの物語は色褪せるどころか、リマスター処理によって新たな発見を伴って甦った。
私自身、すでにキャンペーンを2周し、いまだ興奮冷めやらずな胸中ではあるが、努めて冷静に分析してみたいと思う。
少し長くなるかもしれないが、ぜひ最後までお付き合い願いたい。


リマスターによる画質の向上

まずは上のScreeshotをご覧頂きたい。
これが10年前に発売されたHalo 1のグラフィックである。
10年前とはいえ、奥行きまできちんと描かれた丁寧な絵作りは一目瞭然だろうと思う。
細部がどうしても暗色になってしまうのは当時のグラフィックエンジンの限界だろうか。
どちらにしてもXbox(旧型)の時代を痛感させる画質であることは間違いない。

そしてこれが今回のリマスター処理された画像である。
全体的に彩色が鮮やかになったのはもちろんだが、細部における描画表現が格段に増していることがお分かり頂けるだろうか?
特に光源処理についてはゲームの進化を語る上で最も欠かせない要素なのだが、これは画像ではなく映像で体感するともっと分かりやすいだろう。
同じく画像では分かりにくいが、海や川を流れる水の映像表現も明確にその差が分かるほどにグレードアップしていた。

しかも驚いたことに、本作はプレイ中にBackボタンを押すだけでこのリマスター画面とクラシック画面を切り替えることが可能なのだ。
これにより懐古ファンは思う存分昔を懐かしむことが出来るし、新参者の方でもこの切り替えによってここ10年のグラフィックの進化というものを肌で感じることが出来る算段だ。
こうしたユーザーフレンドリーな設計、そして発想は今後のリマスター作品に少なからず影響を与えるものではないかと思う。
そもそもリマスター処理に自信がなければ出来ないことだと思うし、そういう意味では343 Industriesの本気を垣間見た気がする。

ただ、強化されたグラフィックと言っても現行機最高レベルとはお世辞にも言えず、そこは注意が必要だ。
あくまでも10年前のグラフィックと比べて見栄えが良くなっただけの話であり、シリーズの直近のタイトルでもあるHalo:Reachよりは確実に見劣りはする。
この点について過度な期待は禁物であるし、もしも購入前ならばトレーラーなどで1度確認しておくのがベターだろう。

また、一部のファンからはこの彩色豊かな絵作りによって本来の世界観が崩れたというネガティブな印象も出てくるかもしれない。
これは光源処理の問題にも起因するが、良くも悪くも初代Haloは暗いステージが多く、それが奇しくもSFホラー的な雰囲気を醸し出していたのだ。
今回のリマスター処理によって明度が増し、マップの隅々まで視野が広がった分、そういった恐怖感というものは確実に後退したとは思う。
私としてはどちらの処理にも一長一短があり、ここで良し悪しを論ずるよりも単に好き嫌いのレベルの問題だと認識している。

そう考えると、リマスター画面とクラシック画面を一発で切り替え出来る今回のシステムはやはりお見事と言うしかない。
ユーザーから寄せられるであろう賛否の評価に対してきちんと回答を用意したわけだ。
この点はデベロッパーの343 Industriesがリメイクの意義というものをきちんと理解していた証左だろうと思う。


色褪せないシナリオと世界観の魅力

Haloの魅力を語る上で真っ先に挙げられるのは重厚なシナリオとSF的舞台設定、いわゆる世界観である。
物語の中身についてはWikipediaなどを参考にして頂きたいのだが、本作はHalo 1というまさにシリーズの口火を切った作品としても重要な役目を担っている。
主人公マスターチーフのヒーロー物語と言えばそれまでだが、そこに肉付けされる脚色は極めて映画的で尚且つ奥深いものだ。

振り返ってみれば、10年前にプレイした当時はこの独特な世界観に慣れるのが先で、物語部分への深い考察と理解というものは後回しにしてきたように思う。
しかし、その後続編が相次いでリリースされ、昨年は本作の前日譚にあたるHalo:Reachもようやく陽の目を見た。
こうしたHaloサーガを一通り体験した上で、改めて本作と対峙した時、全てのリンクが見事に繋がっていくのを実感出来たことは感動すら覚える。
(特にHaro:Reachのエンディングから本作のオープニングへの流れはパズルがあるべき場所に収まったかのように違和感がなかった。)

色褪せないシナリオとはまさしくこのことであり、自分の中では新発見とも言えるような場面にも数多く遭遇出来た。
しかも今回はターミナルと呼ばれる収集要素も用意されており、取得するたびに合計10個もの新ムービーを閲覧可能だ。
このムービーによってHaloの物語にもさらに奥行きが生まれ、新章Halo 4への期待値がおのずと高まっていったことは明記しておきたい。

中でもキース艦長のムービーは特に必見中の必見だろうと思う。
彼の内面を少しでも知ることが出来たのは古参ファンにとっても大収穫と言えるだろう。
他にもギルティスパークによるフォアランナーへの考察を窺い知ることも出来、全体的にその中身は非常に濃いものだった。
実はこれが今回の最大のおまけ要素となるのだが、ファンにとっては素直に喜ばしい内容だったのではないだろうか。


快適な操作性と画期的なゲームシステム

今回、リメイクではなくリマスターということで10年前の当時と変わらないシステムだったが、実際プレイしてみて、そこまでの古臭さを感じなかったのは意外だった。
体力ゲージにシールドの概念を実装し、これにより全体の難易度が引き下げられ、結果的にFPSの敷居も下げることに成功したのが本作だが、やはりこのシステムは今考えてみても素晴らしい出来である。
具体的にはシールドとエネルギーゲージの2本柱であるが故に、強行突破だけのFPSになっていないところが好印象なのである。
FPSというものはトリガーを引いて敵を倒す快楽はもちろんだが、戦況に応じて押す時は押す、引く時は引くという戦略的思想に満ちた設計であるべきだと私は思う。)

加えて直感的な操作性も健在だ。
リアル系戦争FPSと比べるとLTによるエイムがないことが特徴的で、本作のデフォルト設定ではLTでグレネードを投げる。
つまり、グレネードがRTの銃の引き金同様に重要な意味を持つことが分かる。
確かにHaloシリーズでは高難易度であればあるほどグレネードの使い方次第で難局を乗り切る場面が多く、この操作体系はそれを象徴するトピックだ。

それからヘッドショットの概念。
これもHalo 1から実装されている画期的なカタルシス発生装置の1つと言えよう。
特にハンドガンの凶悪性は本作でもきちんと引き継がれており、ズームしても視点ブレすることなくワンショットワンキル出来るのはとても良かった。
これによりスナイパーライフルが空気になってしまったのではないかという声もあるが、あちらは高火力だが装弾数は4発というメリットデメリットを混在させているのは流石である。

ワートホグやスコーピオンなどの乗り物における操作性も従来のままで、私は何も違和感は感じなかったものの、初見の方にしてみればある程度の慣れが必要かもしれない。
特にワートホグはドリフトしやすい特性を生かした運転が求められるし、序盤でこの操作に慣れておかないとラストステージできっと痛い目に遭うだろう。
その他バンジーやゴーストといったお馴染みのコヴナント軍の乗り物も健在であり、尚且つリマスター処理によって細部まで描きこまれていたことは改めて感心させられた。


奥行きを感じる美しいマップデザイン

さて、肝心なのはこうしたSF的世界観を忠実に再現したマップデザインということになるが、Halo 1はこの部分においても他の追随を許さないクオリティである。
10個あるステージのうち、例えばステージ2における箱庭的デザインなどは当時でも衝撃を持って受け止められたマップと記憶している。
これだけ広大で奥行きのあるマップをロード画面を挟むことなくシームレスに展開させるなど、当時の家庭用ゲーム機では実現なし得なかった事象だからだ。
しかも道筋は1つではなく、どの場所からでも攻略可能というオープンワールド的な懐の深さを見せつけた名マップと言えるだろう。

反面、宇宙船内や建造物の内部になると途端にコピペマップが頻発するのもHalo 1の特徴である。
これを無意味なワンパターンと切り捨てるのは簡単だが、敵の配置については非常によく考えられており、個人的には何度やっても飽きることがなかった。
元々シンメトリーなマップ構造に美的センスを感じてしまう性格だけに、例えばDante's Infernoにおけるコピペマップとは天と地ほどの差があると確信している。
特に後半からはゾンビ的生命体でもあるフラッドの登場により、そうしたワンパターンなマップにも一定の躍動感が生まれるのは事実として申し上げておきたい。

話は逸れるが、このフラッドの存在がなければHalo 1の評価は至極普通レベルだったのかもしれない。
この四方八方から押し寄せるクリーチャーの存在により、それまでの対エイリアン戦争という構図から、まるでSFホラー映画のように場の空気が一変したからだ。
2008年に発表されたDead Spaceと比べるのはナンセンスだが、その先駆けとも言える内容を含んでいたことは今回で改めて確認出来た。
ぜひこの恐怖感はサラウンドヘッドフォンと一緒に部屋の明かりを消して体感して欲しいと思う。


高品質な音楽の存在

ゲームにおけるBGMの重要性は、DJを職業としていた私にとっても必須と言えるテーマだ。
良いBGMなくして良いゲームなどこの世には存在しないとさえ思っている。
(例外としてBatman: Arkham Asylumのようなゲームもあるが、それはごく稀だろう。)

結論から言うと、Halo 1はシリーズの中でも最高品質の音楽に彩られた作品である。
しかもその使い方も憎いほどに絶妙なもので、この点はプロDJ顔負けの選曲と言ってもいい。

恐らくこのBGMがなければここまで奥行きを感じさせる世界観にはなっていなかったかもしれない。
それほどまでに選び抜かれ、そして考え抜かれたBGMでもあるし、もちろんサウンドエフェクトなどの効果音にしても同じ事が言えるだろう。

ちなみに私がHaloシリーズで最も評価している音楽は外伝にあたるHalo:ODSTである。
この作品はサウンドトラック単体としても十分楽しめる内容であり、シリーズの中でも傑作中の傑作と断言出来る。
Halo 2でのSteve Vaiによるギターテーマソングも必聴レベルであるが。)

本作のように、常にBGMが流れているのではなく、要所要所で効果的に鳴り響くサウンドデザインは、その後のFPS作品にも少なからず影響を与えたのではないだろうか。
詳しく言えば、このBGMは戦闘シーンのみならず、一定の場所を通過することによってフラグが発生する仕組みである。
これはつまり、ゲームの枠組みに映画的な演出効果を導入した1つの好例でもあり、すでに10年前にこの設計をしたBungieはやはり偉大と言わざるを得ない。
テーマ曲にしても本作は男声フルコーラスという壮大で荘厳な雰囲気だけに、使い方を誤ればとてもちぐはぐなものになりかねなかったのだが、見事に世界観と合致させたあたりは手放しで賞賛に値するところだと思う。


本作のマルチプレイはおまけと考えるべき

すでにHaloブランドはマルチプレイにおいても屈指の輝きを放っているが、本作のそれは少々の古臭さが否めないだろう。
私も当時はキャンペーンばかりプレイしていたこともあって、印象としてはかなり薄いものだったが、今回のマルチプレイから迸る懐古感は痛感してしまった。
特にスポーツ系FPSの代表格とも言えるHaloだが、こんなにも速い展開だったのかと舌を巻いてしまったぐらいだ。

個人的に対人戦に関してはスポーツ系よりもリアル系が好みだということを差し引いたとしても、Halo:Reachの対戦のような奥深い戦闘は残念ながら希薄。
もはやHalo:Reachにおいてマルチプレイに関するシステムは完成及び熟成されており、今更このリマスター版の対戦を楽しもうというのは少し酷なのかもしれない。

そもそもHalo 1はシングルキャンペーンの開発がメインだったわけで、オンラインに関しては当時からおまけ的要素だったと記憶している。
その後、シリーズはキャンペーンからマルチプレイへと比重を置いた製作にシフトしていくのだが、そこから考えてもHalo 1はやはりソロ専用ゲームである。
従って今回のマルチプレイに関しては昔を懐かしむ程度のものであって、それ以上でもそれ以下でもないのだ。

それに関連して、本作はキャンペーンにおけるcoop機能(2人まで)を実装していたが、完全に後付けであるが故に完成度は相当に低いものだった。
というよりも、元々ソロで攻略するようにデザインされたキャンペーンを2人でプレイすることには多少の無理があると思う。
広大な屋外マップならまだしも、屋内ではやはり通路の狭さが気になるし、これがもし4人coop対応ならばゲーム性自体が破綻してしまったとも思う。
恐らく343 Industriesはユーザーの声に押される形でこのcoop機能を実装したのかもしれないが、私から言わせればそこは妥協して欲しくなかった部分だ。
むしろターミナルのようなおまけ要素に力を入れて欲しかったとさえ思う。
今回のcoop機能は巷でもラグが頻発してまともに遊べないケースが多いとの報告もあり、少々蛇足的な機能ではなかったかと悔やまれる。

繰り返すが、Halo 1は非常に優れた「ソロ」キャンペーンなのだ。
安易にcoop機能を実装することによって、その美点が汚れてしまうのはファンの1人としてとても辛い。
孤高の存在でもあるマスターチーフをプレイするのは、やはり孤高のプレイヤー1人で十分なのである。


まとめ

Halo:Combat Evolved Anniversaryは果たして今すぐにでも購入するべきかどうか。
答えは以下の2つに分かれる。

まず、Haloファンならば今すぐにでも買うべき作品だろう。
開発の343 Industriesはリメイクではなく、原作に忠実なリマスターというスタイルを採用した。
これはHaloシリーズを愛するファンの気持ちに真摯に応えようとする姿勢でもあるし、その心意気を我々は全力で受け止める必要がある。
なぜなら目前の未来にはHalo 4が待ち構えており、先に述べたように新要素のターミナルなどはこの目で確認しておく義務があるからだ。
加えてHalo 4の主役は本作と同じJohn-117、マスターチーフである。
彼が活躍する原点的作品を10年というアニバーサリーで祝福出来るのはファンとしてこれ以上ない喜びではないだろうか。

対して、もし貴方がHaloにそこまで興味がなければ今すぐに購入する必要はないのかもしれない。
しかし、シューター好きを自認するならば1度は通過して欲しい作品である。
これはリマスターとクラシックをボタン1つで切り替える機能に集約されることだが、これによりここ10年のFPSの進化を肌で実感することが出来るからだ。
確かに基礎となるエンジンは10年前のもので、その代わりグラフィックとサウンドだけが綺麗になり、人によっては妙な違和感を感じてしまうかもしれない。
しかもリマスター処理されたとはいえ、直近の他のFPS作品と比べても明らかに見劣りのする画質でもある。
それにHaloならではの独特な操作性、そして小難しいSF話に敬遠気味なプレイヤーがいることは百も承知だ。

それでもなお、私が本作を勧める理由はこのキャンペーンの完成度の高さ故、である。
すでにその理由はこれまで述べてきた通りだが、オフラインシューター作品の中でもいまだ屈指の名作としてその地位は揺るぎない。
10年の時を経た今、それを再確認出来ただけでも収穫であったし、また3990円という良心的な価格設定はもっと評価されて然るべきだと思う。

世の中で多くの支持を受ける作品というものには、やはり確かな理由が存在するのだ。
本作もその例外ではない。


おわりに

冒頭で述べた通り、本作は私にとって特に思い出深い作品でもあり、評価としては公正とは言い難い点数になってしまったことは率直にお詫びしたい。
(実質的には90点、残り4点は思い出補正である。)
ただ、今回のリマスター自体についてはパーフェクトとはもちろん言えず、細かい部分で不満もそれなりにある。
ファン向けということを考えると、新規収録がターミナルの映像集とスカル、そしてキャラクター図鑑というのは余りにもお粗末なおまけ要素と言えるだろう。
(せめてサウンドトラックぐらいは別枠で収録して欲しかった。)

しかし、そういった声を力技でねじ伏せるパワーを持った珠玉のキャンペーンであることも事実だ。
同じようなマップの連続で道筋がはっきり分からないところなどは、今のFPS市場からするとかなり異質で不親切だが、洋ゲーの良い部分がそれを上回っていると思う。

洋ゲーの良い部分、それは一言で言って世界観である。
Haloは一見するとただのSFお伽話のようにも見えるが、実は深遠なる人類と宇宙の関わりを暗示した物語でもある。
つまり、人類対エイリアンという表面的な構図だけを見てしまうとただのドンパチゲームという軽薄な印象が一人歩きしてしまうのだが、そこにフラッドやフォアランナーといった物語に奥行きを与える存在の力によって、奥深いシナリオが見えてくるのだ。

これを当時は「難解」という言葉でその評価から逃げようとしたレビュアーも数多くいたと思われるが、シリーズが進むにつれて数々の伏線が回収され、結局のところHaloの最大の謎はジョンソン軍曹がなぜ生き残っているのか?という疑問のみとなってしまった。
もちろんこれは冗談半分だが、今回のターミナル収集による映像で新たな伏線も張られることになり、新章となるHalo 4でそれがどのようなシナリオ運びとなるのか、今からこちらの期待値が上昇しているのも事実である。

結果的に本作はHalo 4までの繋ぎとしてその役割を十二分に担う作品となり、343 Industriesにとっても順調な船出となったように思う。
正直言って私は、これからHaloの世界へ足を踏み入れようとする新規プレイヤーが羨ましくてたまらない気持ちだ。
なぜならすでにHalo 1からHalo 3という3部作は完結し、外伝となるODSTとReachも陽の目を見た。(もちろんHalo Warsも忘れてはならない。)
私のように初代から作品を追っている人間は次のリリースまで2年ほど待たなければならなかったが、今はその全てが1度に揃う。
ゲーマーとして、そしてシューターとしてこれほど幸せなことはないだろうし、1人でも多くの方がこの物語を味わって頂くことを私は望む。

もっと噛み砕いて表現するならば、私が本作Halo:CEAをやって欲しいというのは、北方謙三氏の「ソープに行け」と同義語である。
やるべき価値のあるタイトルとして細かい理由を述べてきたが、結局のところ、実際に体験してみないことには何も始まらない。
特にシューター好きは素通りするべき作品ではないし、来るべきHalo 4に向けて古参ファンも今一度原点を確認しておく必要と義務があるだろう。

個人的には今年のゲームオブザイヤー候補に推薦したいほど素晴らしい内容だった。
もちろんリメイク作品を推すのは反則だと承知しているが、今年は期待を裏切る作品が多かったというのもある。
いずれにせよ、今はただ343 Industriesに感謝を申し上げたい気持ちで一杯だ。

Many Many Thanks, and Wake Up John!!



総合評価:94点




Halo Combat Evolved Anniversary (ヘイロー コンバット エボルヴ アニバーサリー) (通常版)



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