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NEODEAD MUSIC BLOG

音楽を思考する

Stam1naのスタミナが止まらない

CD Review

Nocebo

Stam1na「Nocebo」★★★★☆


夏バテを解消する1枚

1996年に結成されたStam1naは、ヘヴィメタルの王国として名高いフィンランド出身のバンドである。
母国語であるフィンランド語を駆使し、様々なメタル要素を交雑させたハイブリッドな世界観が魅力的だ。

音楽的にはもちろんヘヴィメタルをベースとしているのだが、そこにプログレッシブやスラッシュ、ハードコア、デス、そしてオルタナティブな要素を強引にかき混ぜ、ある種Faith No More的なメタルmeetsミクスチャーとも形容することが出来るサウンドと言えるだろう。
恐らく初見のリスナーなら、大なり小なり、何かしらの衝撃を受けることは間違いない。

その曲調は、一見北欧メタル特有の比較的オーセンティックなアレンジかと思えば、途端にExodusのような所謂ベイエリア風スラッシュ系リフが登場したり、はたまたDark Tranquillityのようなメロデス調のブレイクが訪れた後に、SlipknotSoulfly顔負けのトライバルで硬質なリズムパターンが登場するなど、展開は総じてスリリングだ。

これを野蛮なカオスに感じるか、それとも理知的なインテレクチュアルに感じるかは人それぞれだと思うが、どちらにせよ、Stam1na本人達は狙ってやっていることであり、この計算能力の高さは猪突猛進型メタルとは一線を画すものである。

今宵紹介するアルバム「Nocebo」(2012年発表)は彼らにとって5作目の作品であり、音楽的にも演奏的にも現行Stam1naの完成形と言っていい。(すでに前作「Viimeinen Atlantis」においてStam1naのスタイルは確立済みである。)
ただ、アルバム全体を見渡すと多少のマンネリを感じてしまう部分も見受けられるのだが、私はこの奇妙奇天烈なアレンジのおかげで飽きることなく最後まで楽しむことが出来た。

特にKMFDM的な高速ギターリフが炸裂する「Valtiaan uudet vaateet」と「Arveton on arvoton」、そしてSuicidal Tendencies的な疾走感が味わえる「Pirunpaska」と「Puolikas ihminen」の出来は特筆すべきもので、間違いなく本作を代表するスコアと言えるだろう。
また、フィンランド語によるVocalもこのミステリアスな世界観にしっかりと合致しており、極めて好印象だったことは付け加えておきたい。

21世紀以降にニューメタルが登場して以来、デスラッシュメタルコア、カオティックなど様々なジャンルが台頭してきたHR/HM業界だが、そのどれにも属さないStam1naのような音楽はもっと評価されてもいいはずだ。

まるでDisturbedの突然変異体とも言うべきか、初期のMegadethがあらぬ方向に覚醒してしまったかのような、所謂往年のFaith No More好きにはもちろん、最近だとSystem Of A Downあたりが好きな方にもぜひチェックしてみて欲しいバンドである。

暑さ厳しい今夏だからこそ、彼らの音楽からスタミナを補給するべき!





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