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NEODEAD MUSIC BLOG

音楽を思考する

知らないと損するLovex

Lovex「State of Mind」★★★★☆


メタルだけじゃないフィンランド

フィンランド出身、Lovexにとって4作目となる「State of Mind」が明日(8/16)がリリースされる。
私もすでに全曲を試聴し、もちろん購入する気満々なのだが、どうやら現時点で国外での発売は不明らしい。
原因はレコード会社を移籍したことに端を発するようだが、今回の内容が良かっただけに、1日でも早く発売の目処が立って欲しいところだ。
彼らのように、ハードロックをベースに独自のポップ路線をひた走るバンドというのは、世界的には今でこそ数も増えてきたが、やはりもっと多くのスポットライトを浴びるべきだと私は思う。
80年代に勃発したLAメタルへのオマージュをあえて隠さない、所謂懐古主義的な若手バンドが続々と登場する昨今、Lovexのように常に新しいハードロックの形を模索するアーティストはもっと大事に扱われて然るべきだろう。
重ねて申し上げるが、今回の新作が1日でも早く世界各国で発売されるように願いを込めて、簡単な感想を残しておきたい。

01「Fighter」:オープニングからフィンランド出身らしい北欧独特な美旋律が炸裂するミディアムテンポの1曲。彼らの良さの1つに、演奏全体のキレの良さが挙げられるのだが、それは前作「Watch Out!」でも実証済みであり、本作もその期待を裏切らない内容だ。

02「Action」:ラウドロックのように展開するAメロから印象的なサビへとビルドアップしていく流れが秀逸。本作の第1弾シングルカット。

03「Don Juan」:最近のProgressive Houseにあるようなシンセ音色を大胆にもイントロで導入し、その後はLovex特有のキレの良いハードロックへ。全体的に哀愁系の旋律だが、ポジティブさが失われていないところに大きな魅力を感じる。

04「Yours To Keep」:ピアノをバックに始まるLovex流のバラード。まるで今回のジャケットデザインを象徴するかのような、スペイシーでユーフォリックな展開には思わず恍惚感が漂う。素晴らしい。

05「Bad」:LovexらしいR&Rテイストを感じるハードロックナンバー。彼らの上手いところは、こうしたアップテンポな楽曲でもCメロに手抜きがないこと。これで曲全体が引き締まって聴こえる。

06「Edge Of Sanity」:彼らにしてみれば新機軸とも言えるイントロと言えるのではないだろうか。しかしサビはポジティブを絵で描いたように爽やかな美旋律であり、きっとLiveではオーディエンスの大合唱となることだろう。

07「Walking Away」:7曲目にしてパワーバラードが登場。ドラマティックに展開するアレンジはまるで映画のエンディングのようだ。加えてこの曲のCメロの存在はLovexの経験値の高さを窺えるもので、ぜひこの作曲能力の高さは実感して頂けるのではないかと思う。

08「When The Light Go Down」:彼らにとってはお得意のロックナンバーと言えるだろう。適度な泣きメロに適度にエッヂの効いた演奏は、バンドとしてのバランスの良さを証明している。中盤のブレイクで挟み込まれるTrance系シンセもGood。

09「Miracle」:Lovexは毎回、このように高品質な作品をリリースし続けているが、この曲名通り、まさにミラクルな存在である。もはやベテランの風格さえ漂わせるが、この曲は特にベースラインがお見事。

10「Save A Life」:終曲はLovex流のハードロック&ポップな1曲。アルバムの最後を飾るにふさわしいメロディ、アレンジ、音色、そして演奏である。

前作「Watch Out!」の出来も素晴らしかったが、本作はさらに楽曲のクオリティが増しており、方向性もよりシンプルな路線へシフトしている。
そのため、1曲1曲がコンパクト過ぎるという批判や、ハードやヘヴィな部分、所謂メタル的な成分が少な過ぎるのではないかという疑念さえ生まれる恐れもある。

しかし、私としてはハードポップの王道へと突き進むLovexの方向性は正義だと思うし、ひとまず本作も肯定的に捉えておきたい。
確かに20年も前なら産業ロックと揶揄されるような音楽性だが、時代は流れ、むしろこうした分かりやすい音楽は市場も渇望しているように見える。
そうでなければ、例えば、Amarantheがここまで世界で売れた理由に説明がつかないはずだ。

メンバー自身も、本作については以下の要素に言及している。
1つはダンスミュージック、もう1つはオールドスクールなロック、そして最後に映画的なバラード、という3つである。
本作はこの3つの要素がバランス良く配合された内容であり、ファンにとっても、新参者にとっても、比較的満足度の高い作品と言えよう。
あえて否定的な見解を言わせてもらうなら、サウンドプロダクションに少し不安を感じた程度で、楽曲それ自体は素晴らしいものだった。

兎に角、現時点での日本未発売の状況は憂慮すべき事態であることは間違いない。
一刻も早く、この「State of Mind」のリリースに向けて朗報が聞けることを願っている。

以下、SOUNDIサイトにて本作を全曲試聴出来るので、興味のある方はチェックしてみて欲しい。

Lovex「State of Mind」全曲試聴





※前作もオススメ
ウォッチ・アウト!
ラヴX 雅-MIYAVI-
ウォッチ・アウト!
曲名リスト
1. クイーン・オブ・ザ・ナイト
2. U.S.A.
3. スレイヴ・フォー・ザ・グローリー
4. タイム・オブ・ユア・ライフ
5. ウォッチ・アウト!
6. 15ミニッツ
7. クラッシュ・マイ・ワールド
8. ワールズ・コライド
9. ワン
10. マーブル・ウォールズ
11. U.S.A. (FEAT.雅-MIYAVI-) (日本盤のみのボーナス・トラック)
12. ウィズアウト・ア・コーズ (日本盤のみのボーナス・トラック)
13. スレイヴ・フォー・ザ・グローリー (アコースティック・ヴァージョン) (日本盤のみのボーナス・トラック)

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