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NEODEAD MUSIC BLOG

音楽を思考する

Destineはもっと評価されるべき

Forevermore

 Destine「Forevermore」★★★★★

 

オランダ出身、5人組のエモバンドが満を持して新作を発表。

なにしろIndiegogoでクラウドファンディングまで手を出して完成させた一品である。

結果的に300万円ほどの寄附を受け、めでたくリリースまで漕ぎ着けた。

 

www.indiegogo.com

 

音楽産業の構造的変化は加速度的であり、すでに海外ではSpotifyなどのストリーミングサービスが主流となってきているところもある。

日本ではAWAやLINE MUSICなど、今年になって相次いでストリーミングサービスを開始したニュースが流れたことは記憶にも新しい。

 

しかしこの音楽というコンテンツビジネスが、CD販売からダウンロード販売へと移行した時、最も被害を受けたのはアーティストだった、というのは哀しい現実である。

中でも、iTunesという兵器を駆使して音楽産業に風穴を開けたAppleの功罪は大きい。

これは食品でも同じことが言えるが、生産者が十分な利益を得られず、販売者だけが勝者となってしまう仕組みは、結果的に生産過程におけるコストダウン及び生産者のモチベーションを大きく損なうリスクファクターとなってしまう。

 

確かに、ダウンロードよりも安価で便利なストリーミングサービスは、リスナーという消費者視点から見ればとても魅力的である。

その反面、販売者、特に生産者まで十分な対価が行き渡るのかどうか、疑問が残る。

大御所ならまだしも、所謂インディー系のカテゴリーに属する無名アーティストにとっては死活問題ではないか。

 

今回、Green DayやAnberlinのように知名度もないDestineが、Indiegogoというクラウドファンディングによって資金調達したことは、現在の音楽産業の構造変化を暗に裏付けるトピックであり、私としても深く考えさせられる案件だった。

このあたりはまた別の機会で掘り下げてみたいと思う。

 

toyokeizai.net

 

さて、前置きが長くなってしまったが、アルバムの中身の話に移りたい。

本作は彼らにとって3枚目のアルバムであり、前作から引き続き、エモーショナルな旋律が盛りだくさんの内容となっており、Destine流のポップパンクが全編において炸裂している。

特に前半の勢いには目を見張るものがあり、オープニングの「Forevermore」から「Down and Out」、「Demons」、「Rock Paper Scissors」など、ライブのピークタイムを飾るアップテンポな楽曲が目白押しだ。

中盤の「Coming Home」以降はパワーバラードを意識した楽曲が中心となり、この辺は前作「Illuminate」と比較すると少々失速気味に感じるかもしれない。

 

だがしかし、彼らの楽曲の品質の高さには誰もが驚かされることだろう。

月並みな表現だが、随所にフックを効かせたアレンジが施されており、結果的に何度リピートしても飽きることがない。

また、聴く者に元気を与えるポジティブなメッセージ性とウェットで叙情的なメロディとのバランスが素晴らしく、それがDestineの大きな魅力となっていることは改めてここで言及しておきたい。

 

これがオランダという北欧に近い地域で生産された音楽だからなのか、この味はなかなかアメリカや日本では出せない。

例えばOne Ok RockFear, and Loathing in Las Vegasなど、邦楽ロック好きにもぜひお勧めしたい、エモ&パンクの決定版となる1枚である。

 


Destine - Down And Out (Official Video) - YouTube

 

 

Forevermore

Forevermore

  • Destine
  • ロック
  • ¥1500

  

Forevermore

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