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NEODEAD MUSIC BLOG

音楽を思考する

Blutengelでゴシックポップに目覚めよう

CD Review

Omen

Blutengel「Omen」★★★★★

 

ドイツのエレクトロニック・ゴシック・ポップ・バンド、Blutengelの9作目となる新作。

バンドというよりは、Chris Pohlのソロプロジェクトと形容した方がいいのかもしれないが、今回も適度にダークで適度にポップな、極めてBlutengelらしい作品に仕上がっている。

個人的には、Blutengel史上、最高傑作と言っても良さそうな仕上がりだ。

 

元々がEBMやニューウェイヴ、シンセポップからの影響が大きく、機材の進歩とともに楽曲の質も向上してきた経緯がある。

それを証拠に、2013年発表の前作「Monument」においては本国でも好セールスを記録し、RammsteinやKMFDMと同様に、Blutengelもかつてない円熟期に到達していることを世に知らしめた。

 

今回も一風変わったダークなコンセプトに基づいた内容となっているが、楽曲のアレンジ能力は確実にスケールアップしており、特に「The War Between Us」におけるEuphoric Trance的なアプローチについては、Arminなど現役のTrance系アーティストに負けず劣らず、驚異的な疾走感と哀愁感を実現している。

曲調も得意なミドルテンポの他に、バラード系楽曲を上手く配置しており、「Give Me」では女性VoのみでChris Pohlが全く登場しないなど、卓越した創意工夫も健在だ。

 

恐らく、外見などの見た目から敬遠してしまう方も多いと思うが、音楽そのものは至って真面目なエレクトロニックな異形のダンスポップである。

過去にSoft BalletやAnd Oneなどを聴いていた人には説明不要かもしれないが、詳しく言えば、80年代にドイツで勃興したEBMを下地に、90年代以降から世界的な市民権を得たEpic TranceやPsychedelic Tranceなどを独自の解釈で咀嚼、生成した音楽と表現することも出来る。

 

Blutengelが素晴らしいのは、そうした伝統的要素を忠実に守りながらも、常にモダンな要素を果敢に取り入れる柔軟性を持っている点にある。

つまりそれは、アナログとデジタル、レトロとモダン、パストとフューチャー。

時間の経過とともに剥離していく2つの要素、これらをバランスよく楽曲に反映していく職人芸。

Blutengel、いやChris Pohlはドイツを代表するマイスターなのである。

 

 


BLUTENGEL Asche Zu Asche - YouTube

 

Omen

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